【海事代理士・過去問】令和7年_12.海上交通安全法③

法令別過去問
3.海上交通安全法に関する次の文章群(1)〜(4)における①及び②の正誤について、正しい組み合わせを表の1〜4から選び、その番号を解答欄に記入せよ。(4点)

(1)
① 中ノ瀬航路の側方の境界線から航路の外側300メートルの海域で工事をしようとする者は、海上保安庁長官の許可を受けなければならない。

② 航路において、海面の最高水面からの高さが65メートルをこえる空域及び海底下5メートルをこえる地下で工事をしようとする行為は、海上保安庁長官の許可を要しない行為に当たる。

1①正②正
2①正②誤
3①誤②正
4①誤②誤

【模範解答】 「 3(①誤・②正)」

【かってに解説】 
①:❌️ 海上交通安全法41条1項の規定により、許可ではなく「届出」が必要になるので、誤りになります。

(航路及びその周辺の海域以外の海域における工事等)
第四十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、あらかじめ、当該各号に掲げる行為をする旨を海上保安庁長官に届け出なければならない。ただし、通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で国土交通省令で定めるものについては、この限りでない。
一 前条第一項第一号に掲げる海域以外の海域において工事又は作業をしようとする者
二 前号に掲げる海域(港湾区域と重複している海域を除く。)において工作物の設置をしようとする者
(以下略)

②:⭕️ 海上交通安全法施行規則24条の規定のとおりです。

(許可を要しない行為)
第二十四条 法第四十条第一項ただし書の国土交通省令で定める行為は、次に掲げる行為とする。
一 人命又は船舶の急迫した危難を避けるために行なわれる仮工作物の設置その他の応急措置として必要とされる行為
二 漁具の設置その他漁業を行なうために必要とされる行為
三 海面の最高水面からの高さが六十五メートルをこえる空域における行為
四 海底下五メートルをこえる地下における行為

(2)
① この法律で定める航路において、長さ50メートル未満の船舶は、航路を航行してはならない。

② 長さ20メートルの引き船が長さ30メートルの台船を引いている場合、引き船の先端から引かれている台船の後端までの長さが50メートル以上となるため、航路航行義務が課されている。

1①正②正
2①正②誤
3①誤②正
4①誤②誤

【模範解答】 「 4(①誤・②誤)」

【かってに解説】 
①:❌️ 海上交通安全法施行規則3条により、長さ50メートル以上の船舶は、航路を航行しなければならないが、50メートル未満の船舶にはその義務がない。なので、(ある程度)自由に航行できるので、誤りになります。

(航路航行義務)
第三条 長さが五十メートル以上の船舶は、別表第一各号の中欄に掲げるイの地点とロの地点との間を航行しようとするとき(同表第四号、第五号及び第十二号から第十七号までの中欄に掲げるイの地点とロの地点との間を航行しようとする場合にあつては、当該イの地点から当該ロの地点の方向に航行しようとするときに限る。)は、当該各号の下欄に掲げる航路の区間をこれに沿つて航行しなければならない。ただし、海洋の調査その他の用務を行なうための船舶で法第四条本文の規定による交通方法に従わないで航行することがやむを得ないと当該用務が行なわれる海域を管轄する海上保安部の長が認めたものが航行しようとするとき、又は同条ただし書に該当するときは、この限りでない。

②:❌️ 海上交通安全法4条に規定する航路航行義務のある長さ50メートル以上の船舶は、基本的に「船単体」の長さ。個別の船の長さは20メートルと30メートルなので、この規定に該当しないため、誤りになります。

(航路航行義務)
第四条 長さが国土交通省令で定める長さ以上である船舶は、航路の附近にある国土交通省令で定める二の地点の間を航行しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、当該航路又はその区間をこれに沿つて航行しなければならない。ただし、海難を避けるため又は人命若しくは他の船舶を救助するためやむを得ない事由があるときは、この限りでない。

(3)
① 危険物積載船であることを示す灯火及び標識は、国土交通省令において、灯火は毎分120回以上140回以下のせん光を発する紅色の全周灯1個、標識は縦に上から国際信号旗の第1代表旗1旒及びB旗1旒と定められている。

② この法律で危険物に該当する引火性液体類のガソリンを積載した総トン数3,000トンのタンカーは、積荷のガソリンを全て荷卸しした直後の状態のときから危険物積載船には該当しない。

1①正②正
2①正②誤
3①誤②正
4①誤②誤

【模範解答】 「 2(①正・②誤) 」

【かってに解説】 
①:⭕️ 海上交通安全法施行規則22条の規定のとおりです。

【海上交通安全法施行規則】
(巨大船及び危険物積載船の灯火等)
第二十二条 法第二十七条第一項の規定による灯火又は標識の表示は、次の表の上欄に掲げる船舶の区分に応じ、夜間は、それぞれ同表の中欄に掲げる灯火を、昼間は、それぞれ同表の下欄に掲げる標識を最も見えやすい場所に表示することによりしなければならない。

②:❌️ 海上交通安全法施行規則11条1項3号、11条3項によれば、引火性液体類は総トン数1000トン以上は危険物積載船に該当し、荷卸しをしただけでは危険物積載船とみなされるので、誤り。

【海上交通安全法施行規則】
(危険物積載船)
第十一条 法第二十二条第三号の国土交通省令で定める危険物は、次の各号に掲げるとおりとし、当該危険物に係る同号の国土交通省令で定める総トン数は、当該各号に掲げるとおりとする。
(一二略)
三 ばら積みの引火性液体類 総トン数千トン
(以下略)
3 第一項第二号又は第三号に掲げる危険物を積載していた総トン数千トン以上の船舶で当該危険物を荷卸し後ガス検定を行い、火災又は爆発のおそれのないことを船長が確認していないものは、法の適用については、その危険物を積載している危険物積載船とみなす。

(4)
① 押し船の長さが30メートルで押される物件の長さが70メートルである物件えい航船等が来島海峡航路を航行する場合は、あらかじめ、国土交通省令で定める事項を来島海峡海上交通センターの長へ通報をしなければならない。

② 来島海峡海上交通センターの長は、来島海峡航路を航行予定であって船舶局のある巨大船に対し、航路入航予定時刻の3時間前から航路外に出るときまで海上保安庁との間の連絡を保持するよう指示することができる。

1①正②正
2①正②誤
3①誤②正
4①誤②誤

【模範解答】 「 1(①正・②正)」

【かってに解説】 
①:⭕️ 海上交通安全法施行規則14条の規定のとおりです。
「物件えい航船等」は、「押し船+押される物件」の全長で判断されます。
(問題の場合、30+70=100メートル)
施行規則12条により、来島海峡航路では100メートル以上のものは通報が必要であるため、⭕️になります。

【海上交通安全法施行規則】
(巨大船等の航行に関する通報の方法)
第十四条 次の各号に掲げる船舶の船長は、航路外から航路に入ろうとする日(以下「航路入航予定日」という。)の前日正午までに、前条第一号から第五号までに掲げる事項及び巨大船である船舶にあつては同条第六号、危険物積載船である船舶にあつては同条第七号、物件えい航船等である船舶にあつては同条第八号に掲げる事項を通報しなければならず、航路入航予定時刻の三時間前までの間においてその通報した事項に関し変更があつたときは、当該航路入航予定時刻の三時間前にその旨を通報し、以後その通報した事項に関し変更があつたときは、直ちに、その旨を通報しなければならない。
一 巨大船
二 法第二十二条第二号に掲げる船舶(水島航路を航行しようとする長さ七十メートル以上百六十メートル未満の船舶を除く。)
三 積載している危険物が液化ガスである総トン数二万五千トン以上の危険物積載船
四 物件えい航船等
2 次の各号に掲げる船舶の船長は、航路入航予定時刻の三時間前までに前条第一号から第五号までに掲げる事項及び危険物積載船である船舶にあつては同条第七号に掲げる事項を通報しなければならず、その通報した事項に関し変更があつたときは、直ちに、その旨を通報しなければならない。
一 法第二十二条第二号に掲げる船舶(水島航路を航行しようとする長さ七十メートル以上百六十メートル未満の船舶に限る。)
二 危険物積載船(前項各号に掲げる船舶を除く。)
3 巨大船等の船長は、航路を航行する必要が緊急に生じたとき、その他前二項の規定により通報をすることができないことがやむを得ないと航路ごとに次項各号に掲げる海上交通センターの長が認めたときは、前二項の規定にかかわらず、あらかじめ、前条各号に掲げる事項を通報すれば足りる。
4 前各項の規定による通報は、海上保安庁長官が告示で定める方法に従い、航行しようとする航路ごとに次の各号に掲げる海上交通センターの長に対して行わなければならない。
一 浦賀水道航路又は中ノ瀬航路 東京湾海上交通センター
二 伊良湖水道航路 伊勢湾海上交通センター
三 明石海峡航路 大阪湾海上交通センター
四 備讃瀬戸東航路、宇高東航路、宇高西航路、備讃瀬戸北航路、備讃瀬戸南航路又は水島航路 備讃瀬戸海上交通センター
五 来島海峡航路 来島海峡海上交通センター

【海上交通安全法施行規則】
(物件えい航船等)
第十二条 法第二十二条第四号の国土交通省令で定める距離は、次の表の上欄に掲げる航路ごとに同表の下欄に掲げるとおりとする。

②:⭕️ 海上交通安全法施行規則15条の規定のとおりです。

(巨大船等に対する指示)
第十五条 法第二十三条の規定により巨大船等の運航に関し指示することができる事項は、次に掲げる事項とする。
一 航路入航予定時刻の変更
二 航路を航行する速力
三 船舶局のある船舶にあつては、航路入航予定時刻の三時間前から当該航路から航路外に出るときまでの間における海上保安庁との間の連絡の保持
四 巨大船にあつては、余裕水深の保持
五 長さ二百五十メートル以上の巨大船又は危険物積載船である巨大船にあつては、進路を警戒する船舶の配備
六 巨大船又は危険物積載船にあつては、航行を補助する船舶の配備
七 特別危険物積載船にあつては、消防設備を備えている船舶の配備
八 長大物件えい航船等にあつては、側方を警戒する船舶の配備
九 前各号に掲げるもののほか、巨大船等の運航に関し必要と認められる事項
2 海上保安庁長官は、前項第五号、第七号又は第八号に掲げる事項を指示する場合における指示の内容に関し、基準を定め、これを告示するものとする。

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