2.商法に関して、次の(ア)〜(オ)が正しい場合は⭕️を、誤っている場合には❌️を、それぞれ解答欄に記入せよ。(5点)
(ア) 船舶を保険の目的物とする海上保険契約については、保険期間の始期における当該船舶の価額を保険価額とする。貨物を保険の目的物とする海上保険契約については、その船積みがされた地及び時における当該貨物の価額、運送賃並びに保険に関する費用の合計額を保険価額とする。
【模範解答】 「 ⭕️ 」
【かってに解説】 商法818条、819条の規定のとおりです。
(船舶保険の保険価額)
第八百十八条 船舶を保険の目的物とする海上保険契約(以下この章において「船舶保険契約」という。)については、保険期間の始期における当該船舶の価額を保険価額とする。
(貨物保険の保険価額)
第八百十九条 貨物を保険の目的物とする海上保険契約(以下この章において「貨物保険契約」という。)については、その船積みがされた地及び時における当該貨物の価額、運送賃並びに保険に関する費用の合計額を保険価額とする。
(イ) 船長は、航海を継続するため必要があるときは、積荷を航海の用に供することができる。この場合において、運送人は運送賃の全額を請求することはできない。
【模範解答】 「 ❌️ 」
【かってに解説】 問題文前段は商法712条の条文のとおりです。後段は商法746条の規定によれば、運送人は運送賃の全額を請求することができますので、問題文は誤りとなります。
(航海継続のための積荷の使用)
第七百十二条 船長は、航海を継続するため必要があるときは、積荷を航海の用に供することができる。
(②略)
(積荷を航海の用に供した場合の運送賃)
第七百四十六条 運送人は、船長が第七百十二条第一項の規定により積荷を航海の用に供したときにおいても、運送賃の全額を請求することができる。
(ウ) 法令に違反して又は個品運送契約によらないで船積みがされた運送品については、運送人は、いつでもこれを放棄することができる。
【模範解答】 「 ❌️ 」
【かってに解説】 商法740条の規定によれば、違反して船積みされた運送品であっても、「船舶又は積荷に危害を及ぼすおそれがあるとき」でなければ放棄できないので、誤りとなります。
(違法な船積品の陸揚げ等)
第七百四十条 法令に違反して又は個品運送契約によらないで船積みがされた運送品については、運送人は、いつでも、これを陸揚げすることができ、船舶又は積荷に危害を及ぼすおそれがあるときは、これを放棄することができる。
(②③略)
(エ) 救助者が救助することを業とする者であるときは、救助に従事した船舶に係る救助料の全額をその救助者に支払わなければならない。
【模範解答】 「 ⭕️ 」
【かってに解説】 商法797条5項の規定のとおりです。
第七百九十七条
(①〜④略)
5 救助者が救助することを業とする者であるときは、前各項の規定にかかわらず、救助料の全額をその救助者に支払わなければならない。
(オ) 船舶の抵当権と船舶先取特権とが競合する場合には、船舶の抵当権は、船舶先取特権に優先する。
【模範解答】 「 ❌️ 」
【かってに解説】 商法848条1項の規定により、「船舶先取特権」は「船舶の抵当権」に優先しますので、誤りとなります。
※船舶以外の先取特権は船舶の抵当権に劣後します(848条2項)。
(船舶抵当権と船舶先取特権等との競合)
第八百四十八条 船舶の抵当権と船舶先取特権とが競合する場合には、船舶先取特権は、船舶の抵当権に優先する。
(②略)
ちなみに、「船舶先取特権」は、商法842条に規定があります。
簡単にまとめると
・船員の賃金・退職手当など(船員の生活保障を優先するため)
・船舶事故による人身損害の賠償請求権(船舶が原因でケガしたり死亡した場合の損害賠償)
・港湾費用や航行費用(港の使用料など航海・停泊に欠かせない費用)
・海上衝突や救助に関する損害賠償・報酬(他船との衝突で発生した損害賠償や救助活動に伴う報酬)
といったところが「船舶先取特権」になります。

