【海事代理士試験】はじめて用語解説「不開港場」

海事代理士試験用語解説「不開港場」 はじめて用語解説

今日のテーマは「不開港場」です

不開港場とは、外国船の入港や外国貿易を行うことが認められていない港のことです。

日本の港は、大きく以下の2種類に分かれています。

1.開港(かいこう):外国船の入港が認められている港
2.不開港場(ふかいこうじょう):外国船の入港が禁止されている港

【関税法2条1項11号】
開港」とは、貨物の輸出及び輸入並びに外国貿易船の入港及び出港その他の事情を勘案して政令で定める港をいう。
【関税法2条1項13号】
不開港」とは、港、空港その他これらに代り使用される場所で、開港及び税関空港以外のものをいう。

現在、「開港場」として指定されている港は以下の通りになります。
(関税法施行令別表第一で指定されています) ↓クリックすると拡大します

開港場一覧

つまり、「不開港場」とは、政府が「開港」として指定した港(上記の表参照)以外の港はすべて「不開港場」になるということです。

「不開港場」への船舶の入港について

「不開港場」への外国船舶の入港については、2つの法律で規定されています。

関税法

(不開港への出入)
第二十条 外国貿易船等の船長又は機長は、税関長の許可を受けた場合を除くほか、当該外国貿易船等を不開港に出入させてはならない。ただし、検疫のみを目的として検疫区域に出入する場合又は遭難その他やむを得ない事故がある場合は、この限りでない。

関税法20条1項の規定によれば、「税関長の許可」があれば不開港場に入港可能になります。

具体的な手続きの流れ

① 入港理由を明確にする
天候不要・エンジントラブル・燃料不足・病人発生など「やむを得ない理由」が必要です。
単なる寄港目的(貿易・乗客の乗降など)は原則としてNGです。

② 税関に申請する(管轄の税関長へ)
船舶詳細情報(船名・船籍・積荷の内容など)を提出します。
入港予定の不開港場を管轄する税関に「不開港場入港許可申請」をします。

③ 許可が下りたら入港可能
許可後、税関や関係機関が必要な手続きを指示します。
入港後も貨物の積み下ろしなどは制限される場合があります。

無許可で不開港場に入港してしまったら

第百十三条 第二十条第一項(不開港への出入)の規定に違反して外国貿易船等を不開港に出入させた船長又は機長(船長又は機長に代わつてその職務を行う者を含む。以下第百十四条第一項及び第百十五条第一項(報告を怠つた等の罪)において同じ。)は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

無許可で不開港場に入港すると、関税法違反になり罰則の対象になります。
さらには船舶の抑留や貨物の没収などの措置を受ける可能性もあります。

外国船舶が日本の不開港場に入港するのは「緊急事態」が発生したとき。という感じですね。

船舶法

第三条 日本船舶ニ非サレハ不開港場ニ寄港シ又ハ日本各港ノ間ニ於テ物品又ハ旅客ノ運送ヲ為スコトヲ得ス但法律若クハ条約ニ別段ノ定アルトキ、海難若クハ捕獲ヲ避ケントスルトキ又ハ国土交通大臣ノ特許ヲ得タルトキハ此限ニ在ラス

船舶法3条の規定によれば、法律・条約に別段の定めがあるとき、海難・捕獲を避ける場合には「国土交通大臣の特許」があれば、不開港場に入港することができます。

関税法の「税関長の許可」で入港する場合は、緊急事態のときに限られるのですが、船舶法の「国土交通大臣の特許(許可)」で入港する場合には。それ以外にも法律や条約で定めがある場合にも可能ですので、外国船舶が「商業目的での寄港」や「定期的な寄港」もすることができます。

結論

これが関税法と船舶法の規定の違いになります。
いずれにせよ、外国船舶が不開港場に入港したい場合には、その理由によって「税関長の許可」か「国土交通大臣の特許」のどちらかが必要になります。

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