【海事代理士・過去問】令和6年_5.船員法②

法令別過去問
2.法令の規定を参照した次の文章のうち、正しいものには⭕️を、誤っているものには❌️を解答欄に記入せよ。(8点)

(1)総トン数30トン未満の漁船は船員法の適用を受けない。

【模範解答】 「❌️」

【かってに解説】 船員法1条2項3号の規定には「政令の定める総トン数三十トン未満の漁船」は含まないとされています。「船員法第一条第二項第三号の漁船の範囲を定める政令」により、定められている漁船以外の漁船は適用を受けるということになります。なので、すべての「総トン数30トン未満の漁船」が適用されないのではないので、❌️となります。

【船員法】
(船員)
第一条 この法律において「船員」とは、日本船舶又は日本船舶以外の国土交通省令で定める船舶に乗り組む船長及び海員並びに予備船員をいう。
②前項に規定する船舶には、次の船舶を含まない。
 一 総トン数五トン未満の船舶
 二 湖、川又は港のみを航行する船舶
 三 政令の定める総トン数三十トン未満の漁船
(以下略)

【船員法第一条第二項第三号の漁船の範囲を定める政令】
内閣は、船員法(昭和二十二年法律第百号)第一条第二項第三号及び第百十九条の二の規定に基づき、この政令を制定する。
船員法第一条第二項第三号の政令の定める総トン数三十トン未満の漁船は、次の漁船とする
 一 推進機関を備える総トン数三十トン未満の漁船であつて、専ら次に掲げる漁業に従事するもの
  イ 漁具を定置して営む漁業
  ロ 漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第六十条第四項の区画漁業又は同条第五項の共同漁業
二 推進機関を備える総トン数二十トン未満の漁船(前号に掲げる漁船を除く。)であつて、その従事する漁業の種類及び操業海域その他の要件からみて船員労働の特殊性が認められないものとして国土交通省令で定めるもの
三 推進機関を備えない総トン数三十トン未満の漁船(他の漁船の附属漁船にあつては、前号に掲げる漁船の附属漁船に限る。)

(2)船長は、国土交通省令の定めるところにより、発航前に船舶が航海に支障ないかどうかその他航海に必要な準備が整つているかいないかを検査しなければならない。

【模範解答】 「⭕️」

【かってに解説】船員法8条の規定のとおり、船長は、発航前検査をしなければなりません。

(発航前の検査)
第八条 船長は、国土交通省令の定めるところにより、発航前に船舶が航海に支障ないかどうかその他航海に必要な準備が整つているかいないかを検査しなければならない。

(3)船舶所有者は、雇入契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

【模範解答】 「⭕️」

【かってに解説】 船員法33条の規定のとおりです。

(賠償予定の禁止)
第三十三条 船舶所有者は、雇入契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

(4)船舶所有者は、海員の乗船中その船員手帳を船員の労務管理を行う主たる事務所に保管しなければならない。

【模範解答】 「❌️」

【かってに解説】 船員法50条の規定によれば、保管をするのは船舶所有者ではなく「船長」になります。また、船長は船内での職務や勤務に関する事項を船員手帳に記載する義務がありますし、航海先の国によってはパスポート代わりになることもあるので、事務所で保管するのではなく船内で、船長が保管します。

(船員手帳)
第五十条 船員は、船員手帳を受有しなければならない。
② 船長は、海員の乗船中その船員手帳を保管しなければならない。
③ 船長は、国土交通省令で定めるところにより、船内における職務、雇入期間その他の船員の勤務に関する事項を船員手帳に記載しなければならない。
④ 船員手帳の交付、再交付、訂正、書換え及び返還に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。

(5)船舶所有者は、休息時間を1日について3回以上に分割して船員に与えてはならない。ただし、使用する船員の過半数で組織する労働組合又は船員の過半数を代表する者と結んだ労使協定を国土交通大臣に届け出た場合、3回以上に分割して与えることができる。

【模範解答】 「⭕️」

【かってに解説】 船員法65条の3の規定のとおりです。

(休息時間)
第六十五条の三 船舶所有者は、休息時間を一日について三回以上に分割して船員に与えてはならない
② 船舶所有者は、前項に規定する休息時間を一日について二回に分割して船員に与える場合において、休息時間のうち、いずれか長い方の休息時間を六時間以上としなければならない。
③ 前二項の規定にかかわらず、船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、その協定で定めるところにより、休息時間を、一日について三回以上に分割して、又は前項に規定する場合において休息時間のうちいずれか長い方の休息時間を六時間未満として、船員(海員にあつては、次に掲げる者に限る。)に与えることができる。
 一 船舶が狭い水路を通過するため航海当直の員数を増加する必要がある場合その他の国土交通省令で定める特別の安全上の必要がある場合において作業に従事する海員
 二 定期的に短距離の航路に就航するため入出港が頻繁である船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員が前二項の規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶で国土交通大臣の指定するものに乗り組む海員

(6)船舶所有者は、航海当直その他の船舶の航海の安全を確保するための作業を適切に実施するために必要な員数の海員を乗り組ませなければならない。ただし、地方運輸局長に許可を受けた場合に限り、必要な員数の海員を乗り組ませないことができる。

【模範解答】 「❌️」

【かってに解説】 船員法70条の規定のとおりで、必要な員数の海員を乗り組ませなければなりませんが、地方運輸局長の許可による例外規定はありません。

第七十条 船舶所有者は、前条の規定によるほか、航海当直その他の船舶の航海の安全を確保するための作業を適切に実施するために必要な員数の海員を乗り組ませなければならない。

(7)船舶所有者は、国土交通省令で定める旅客の輸送の用に供する総トン数20トン未満の船舶の乗組員について、国土交通省令で定めるところにより、船舶が航行する海域の特性に応じた操船に関する教育訓練その他の航海の安全に関する教育訓練(以下「特定教育訓練」という。)を実施しなければならない。また、上記の船舶であって、総トン数5トン未満の船舶又は湖、川又は港のみを航行する船舶に該当するもの(特定小型船舶)の所有者は、乗組員に対し、国土交通省令で定めるところにより、特定教育訓練を実施するよう務めなければならない。

【模範解答】 「❌️」

【かってに解説】 船員法118条の4の規定によれば、「特定教育訓練」の実施は努力義務(務めなければならない)ではなく、義務(実施しなければならない)ですので、❌️になります。

(船舶所有者による小型船舶の乗組員に対する教育訓練)
第百十八条の四 船舶所有者は、国土交通省令で定める旅客の輸送の用に供する総トン数二十トン未満の船舶の乗組員(当該船舶に乗り組ませようとする者を含む。)について、国土交通省令で定めるところにより、船舶が航行する海域の特性に応じた操船に関する教育訓練その他の航海の安全に関する教育訓練(次条第一項において「特定教育訓練」という。)を実施しなければならない

(8)船舶所有者は、雇入契約が成立したときは、遅滞なく、船内苦情処理手続を記載した書面を船員に交付しなければならない。

【模範解答】 「⭕️」

【かってに解説】 船員法118条の6第2項の規定のとおりです。

(船内苦情処理手続)
第百十八条の六 船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、船内苦情処理手続(船員が航海中に船舶所有者に申出をしたこの法律、労働基準法及びこの法律に基づく命令に規定する事項並びに船員の労働条件等に関し国土交通省令で定める事項に関する苦情を処理する手続をいう。以下この条において同じ。)を定めなければならない。
② 船舶所有者は、雇入契約が成立したときは、遅滞なく、船内苦情処理手続を記載した書面を船員に交付しなければならない。
③ 船舶所有者は、船員から航海中に第一項の苦情の申出を受けた場合にあつては、船内苦情処理手続に定めるところにより、苦情を処理しなければならない。
④ 船舶所有者は、第一項の苦情の申出をしたことを理由として、船員に対して解雇その他の不利益な取扱いをしてはならない。

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