【海事代理士・過去問】令和6年_2.民法②

法令別過去問
2.民法に関して、次の(ア)〜(オ)が正しい場合は⭕️を、誤っている場合は❌️を、それぞれ解答欄に記入せよ。(5点)

(ア)請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時に仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないとき)は、注文者は、いかなる場合であっても、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。

【模範解答】 「❌️」

【かってに解説】 「いかなる場合であっても」という部分が不適当。
民法636条の規定によれば、請負人が、注文者の材料や指図が不適当であることを知っているのに、そのことを告げなかった場合には注文者に請負物を引渡したあとでも損害賠償の請求や契約の解除ができるとしています。

(請負人の担保責任の制限)
第六百三十六条 請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時に仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないとき)は、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。

(イ)債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から十年間行使しないときには、時効によって消滅する。

【模範解答】 「❌️」

【かってに解説】 民法166条1項の規定により、
債権は
①債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき
②権利を行使することができる時から10年間行使しないとき
に時効によって消滅します。問題には②の条件しかありませんので、❌️になります。

(債権等の消滅時効)
第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
(②③略)

(ウ)父は、胎内にある子を認知することはできないが、成年の子は、その承諾があれば認知することができる。

【模範解答】 「❌️」

【かってに解説】 民法783条1項の規定によれば、父は胎内の子の認知ができます。成年の子の認知は、子の認知があればできるのは合っています(782条)

(胎児又は死亡した子の認知)
第七百八十三条 父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。(②③略)

(成年の子の認知)
第七百八十二条 成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができない。

(エ)遺留分を算定するための財産の価額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額とする。

【模範解答】 「❌️」

【かってに解説】 民法1043条1項の規定によれば、問題文の額から債務額を控除した額が遺留分になります。

(遺留分を算定するための財産の価額)
第千四十三条 遺留分を算定するための財産の価額は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除した額とする。(②略)

(オ)占有保全の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。ただし、工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。

【模範解答】 「❌️】

【かってに解説】 民法201条の規定によると、この規定は「占有保全の訴え」についてのものではなく「占有保持の訴え」についてのものです。

(占有の訴えの提起期間)
第二百一条 占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。

【占有保持の訴え】
占有者が、占有を妨害されたときの訴え。妨害停止と賠償請求ができる。(198条)
【占有保全の訴え】
占有者が、占有を妨害されそうなときの訴え。妨害予防または損害賠償の担保を請求することができる。(199条)


条文のとても細かい部分を聞いてくる設問ですが、条文丸暗記というよりは、内容をきちんと理解している必要があると思います。
細かい部分まで突っ込んで勉強する必要はないと思いますが、基本的な規定について理解できるように勉強を進めたほうがよいと思います。

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