口述試験過去問を分析??
令和6年の海事代理士二次試験(口述試験)の対策を進めていらっしゃるみなさま、勉強は順調に進んでいますか?
勉強を進めていくと気がつくことがあると思います。
「ん?これ前にも見たぞ・・・」
そうなんですね〜。海事代理士の口述試験は、過去の出題が繰り返し出題されています。
そ・こ・で
平成15年から令和5年までの海事代理士口述試験の過去問を全部チェック。
出題頻度の高い条文ベスト10をセレクトしてみることにしました。
第1段は「船員法」です。
実際に数えてみると「ベスト12」になってしまいました。
一通りチェックは必要な条文ではないかと思います。
口述試験勉強の参考にしていただければ幸いです。
どのくらいの頻度?
平成15年から令和5年までの21年間の過去問を見てみましたが、最初の感想は「意外とバラけて出題されているのだなぁ」ということでした。
わたしの勝手な印象では、もっと条文が絞り込まれて出題されているのではないかと感じていましたが、過去に1回しか出題されていない条文もかなりの量がありました。
それでも、昨年受験勉強をした身としては、やはり過去問が学習のベースであることには間違いなく、実際の口述試験でも、全く太刀打ちできなかったと感じた問題は1問だけで、この過去問学習から回答することができました。
なので頻出条文をベースに過去問を繰り返し学習することは口述試験合格の近道であると考えています。
21年間の過去問で、最も出題された条文は6回出題されました。(条文は1つだけです)
その他、5回出題されたものが8条文、4回出題されたものが3条文です。
なので、本当は「ベスト10」でご紹介したかったのですが、「ベスト12」になってしまいました・・・
以下で回数の多いもの、条文の若い順にご紹介したいと思います。
ちょっと長文になりますが、お付き合いいただければ幸いです。
第19条(6回)
船員法第19条
(航行に関する報告)
第十九条 船長は、左の各号の一に該当する場合には、国土交通省令の定めるところにより、国土交通大臣にその旨を報告しなければならない。
一 船舶の衝突、乗揚、沈没、滅失、火災、機関の損傷その他の海難が発生したとき。
二 人命又は船舶の救助に従事したとき。
三 無線電信によつて知つたときを除いて、航行中他の船舶の遭難を知つたとき。
四 船内にある者が死亡し、又は行方不明となつたとき。
五 予定の航路を変更したとき。
六 船舶が抑留され、又は捕獲されたときその他船舶に関し著しい事故があつたとき。
出題年度:平成15年・平成17年・平成20年・平成22年・平成27年・令和2年
出題例:船員法第19条に基づき、船長が国土交通大臣にその旨を報告しなければならないのは、どのような場合か。3つ答えよ。(R2年)
ほぼ同様の問い方で出題されています。
第2条第1項(5回)
船員法第2条第1項
第二条 この法律において「海員」とは、船内で使用される船長以外の乗組員で労働の対償として給料その他の報酬を支払われる者をいう。
出題年度:平成15年・平成19年・平成21年・平成24年・令和5年
出題例:船員法第2条第1項に規定されている「海員」の定義を答えてください。
第2条第2項(5回)
船員法第2条第2項
②この法律において「予備船員」とは、前条第一項に規定する船舶に乗り組むため雇用されている者で船内で使用されていないものをいう。
出題年度:平成15年・平成19年・平成24年・平成26年・平成29年
出題例:船員法に規定する「予備船員」の定義を述べよ。
実は、2条は1項・2項合わせて10回も出題されています。3条・4条なども含めて、用語の定義は正確に覚えておいたほうがよいかと思います。
第5条(5回)
船員法第5条
(船舶所有者に関する規定の適用)
第五条 この法律の規定(第十一章の二、第百十三条第三項、第百三十条の二、第百三十条の三、第百三十一条(第六号に係る部分に限る。)及び第百三十五条第一項(第百三十条の二、第百三十条の三又は第百三十一条第六号の違反行為に係る部分に限る。)を除く。)及びこの法律に基づく命令の規定(第十一章の二の規定に基づく命令の規定を除く。)のうち、船舶所有者に関する規定は、船舶共有の場合には船舶管理人に、船舶貸借の場合には船舶借入人に、船舶所有者、船舶管理人及び船舶借入人以外の者が船員を使用する場合にはその者にこれを適用する。
② 第十一章の二、第百十三条第三項、第百三十条の二、第百三十条の三、第百三十一条(第六号に係る部分に限る。)及び第百三十五条第一項(第百三十条の二、第百三十条の三又は第百三十一条第六号の違反行為に係る部分に限る。)の規定並びに第十一章の二の規定に基づく命令の規定のうち、船舶所有者に関する規定は、船舶共有の場合には船舶管理人に、船舶貸借の場合には船舶借入人にこれを適用する。
出題年度:平成23年・平成25年・平成29年・令和3年・令和5年
出題例:船員法の船舶所有者の規定の適用を受ける者について、船舶共有の場合、船舶貸借の場合それぞれについて述べよ。
5条の出題のほとんどは、船舶所有者の規定の適用を受ける者についての出題で、
船舶共有の場合=船舶管理人・船舶貸借の場合=船舶借入人
これをきちんと記憶しておくことで対応は可能だと思います。
第41条(5回)
船員法第41条
第四十一条 船員は、左の各号の一に該当する場合には、雇入契約を解除することができる。
一 船舶が雇入契約の成立の時における国籍を失つたとき。
二 雇入契約により定められた労働条件と事実とが著しく相違するとき。
三 船員が負傷又は疾病のため職務に堪えないとき。
四 船員が国土交通省令の定めるところにより教育を受けようとするとき。
② 船舶が外国の港からの航海を終了した場合において、その船舶に乗り組む船員が、二十四時間以上の期間を定めて書面で雇入契約の解除の申入をしたときは、その期間が満了した時に、その者の雇入契約は、終了する。
③ 海員は、船長の適当と認める自己の後任者を提供したときは、雇入契約を解除することができる。
出題年度:平成19年・平成21年・平成22年・平成25年・令和2年
出題例:船員法第41条に規定される、船員が雇入契約を解除することができる場合を2つ答えよ。
第79条(5回)
船員法第79条
(適用範囲等)
第七十九条 この章の規定は、左の船舶については、これを適用しない。
一 漁船
二 船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶
出題年度:平成19年・平成23年・平成29年・令和元年・令和3年
出題例:船員法上の有給休暇の規定が適用されない船舶を2つ述べよ。
79条のいう「この章」は、船員法第7章(有給休暇について)の規定です。
第92条の2(5回)
船員法第92条の2
(行方不明手当)
第九十二条の二 船舶所有者は、船員が職務上行方不明となつたときは、三箇月の範囲内において、行方不明期間中毎月一回、国土交通省令の定める被扶養者に標準報酬の月額に相当する額の行方不明手当を支払わなければならない。但し、行方不明の期間が一箇月に満たない場合は、この限りでない。
出題年度:平成17年・平成20年・平成21年・平成27年・平成29年
出題例:船舶所有者は、船員が職務上行方不明になった場合は、行方不明期間中、被扶養者に対して行方不明手当を支払わなければならないが、その義務を負う期間と支払いの頻度を述べよ。
第97条第1項(5回)
船員法第97条第1項
(就業規則の作成及び届出)
第九十七条 常時十人以上の船員を使用する船舶所有者は、国土交通省令の定めるところにより、次の事項について就業規則を作成し、これを国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更したときも同様とする。
一 給料その他の報酬
二 労働時間
三 休日及び休暇
四 定員
出題年度:平成19年・平成20年・平成24年・平成26年・令和3年
出題例:船員法第97条第1項に規定される、就業規則を国土交通大臣に届出なければならない船舶所有者は何人以上の船員を使用する者か、また、就業規則で定めなければならない事項を2つお答えください。
施行規則第35条(5回)
船員法施行規則第35条
(船員手帳の有効期間)
第三十五条 船員手帳は、交付、再交付又は書換えを受けたときから十年間有効とする。ただし、航海中にその期間が経過したときは、その航海が終了するまで、なお有効とする。
② 外国人の受有する船員手帳にあつては、前項本文の有効期間は、五年とする。ただし、地方運輸局長が五年以内の期間を定めた場合においては、その期間とする。
出題年度:平成17年・平成19年・平成23年・平成27年・令和3年
出題例:船員法施行規則第35条に規定される、船員手帳の有効期間は日本人が受有する場合は交付日から何年か、また、外国人が受有する場合は交付日から何年かそれぞれお答えください。
第23条(4回)
船員法第23条
第二十三条 懲戒は、上陸禁止及び戒告の二種とし、上陸禁止の期間は、初日を含めて十日以内とし、その期間には、停泊日数のみを算入する。
出題年度:平成16年・平成20年・平成25年・令和3年
出題例:船員法第23条に規定される、懲戒の種類を2つお答えください。
第77条(4回)
船員法第77条
(有給休暇の与え方)
第七十七条 有給休暇を与うべき時期及び場所については、船舶所有者と船員との協議による。
②有給休暇は、労働協約の定めるところにより、期間を分けて、これを与えることができる。
出題年度:平成15年・平成22年・平成25年・令和3年
出題例:船員法第77条に規定される、有給休暇の与え方について、船舶所有者と船員が協議して決めるべきものは何か。また、有給休暇の期間を分けて与えるために必要な手続きは何かそれぞれお答えください。
第86条(4回)
船員法第86条
(年少船員の夜間労働の禁止)
第八十六条 船舶所有者は、年齢十八年未満の船員を午後八時から翌日の午前五時までの間において作業に従事させてはならない。ただし、国土交通省令の定める場合において午前零時から午前五時までの間を含む連続した九時間の休息をさせるときは、この限りでない。
② 前項の規定は、第六十八条第一項の作業に従事させる場合には、これを適用しない。
③ 第一項の規定は、漁船及び船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶については、これを適用しない。
出題年度:平成19年・平成27年・平成28年・令和2年
出題例:船員法第86条の規定に基づき、船舶所有者は年齢18歳未満の船員を、午後8時から午前5時までの間において作業に従事させてはならないが、この規定が適用されないのは、年齢18歳未満の船員がどのような船舶に乗り組んでいる場合か船舶を2つ述べよ。
以上です!
以上、頻出条文ベスト12をお届けしました。
出題例の模範解答はあえて書きませんでしたが(条文をご参照ください)、もしもこんな感じで書いてほしいとか、こんなこと調べてほしいとかのご希望がありましたら、コメントいただければと思います。
口述試験まであまり時間がありませんが、できる限りのお手伝いをさせていただきたいと思っています。
現在、他の3法令についても過去問を見直しています。
まとめ次第、ご紹介させていただきたいと思います。
口述試験勉強、がんばってください!!


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